「文化財防火デー」の1月26日、西生寺向かいの南泉院さまで「本堂から出火した」という想定で、
管轄の長岡市与板消防署による本格的な「消防訓練」が行われました。
地元の寺泊野積地区から弥彦山を登った中腹に
当山西生寺・南泉院さま・地蔵院さまの3ケ寺が並んでいます。
人里離れた山中のため町では当たり前の「水道」が引かれておらず、
昔から「弥彦山の湧き水」を大きなタンクに溜めて利用して暮らしてきました。
(消毒してないのでおいしい)
消火のための水の確保は当山の場合池の水などがありますが、
大規模な火災の消火となると大量に水が必要となり心配な面も多々ありました。
そんな中でこのたび山内3ケ寺や村の自治会の声が長岡市に届き「防火水槽設置」
が決まり、昨年秋から始まった設置工事も予定通りに12月中旬に終了、
ついに「3ケ寺専用の防火水槽」が下の登り口に完成したのです。
水槽には常に40トンもの水が貯えられていて「もしもの時」の安心感が増し大変心強くありがたいです。
今回はその新設ホヤホヤの「防火水槽」を使用しての初めての消防訓練となり、
住職と私はワクワクするような気持ちでお寺の結界門を出て徒歩5秒!
目の前にある南泉院さまへと見学に行って参りました。
消防訓練はまず本堂から出火したとの設定で寺族の「119番通報」から始まり、そのあとすぐに
お寺敷地内の消火栓にホースをつなぎ、住職さまと副住職さまによる消火活動が開始されました。
消防車が来る前にまずは自力で少しでも延焼を防がなければなりません。
消防団員でもなく全くの素人な副住職さまのキビキビとした所作が美しく
とっても板についています。後で聞いた話ですが、予行練習は一度だけ。
「かなりの水圧なので両足をしっかりと地面にふんばっていた」とのことです。
このようにしばらく住職・副住職さまによるお寺側での自力の消火活動が続きましたが、
通報を受けて駆け付けた消防車がようやく到着しました!
少し坂道を下ったところにある「防火水槽」よりホースを接続。
お寺まで道沿いに何度もホースを延長しながら登って来た消防隊員たちも次々と到着!
2口に分かれた接続口から最後に2本のホースをつなぎ防火水槽からココまでのホース接続完了!
次第にホースが膨らみ、水槽から水が送られてきたことが確認できます。
いよいよ「防火水槽」の水を使用した消火活動の開始です!!
頼もしいほど勢いよく放水されています!
見学していた私も一瞬でびしょ濡れです!
しばらく放水が続いた後、無事に鎮火したという想定で消火活動は終了しました。
40トンのタンクの水はまだまだ充分に残っているそうです。
隊員の報告のあと、最後に南泉院さまご住職のあいさつで「消防訓練」は終了いたしました。
南泉院・消防隊員のみなさま大変お疲れさまでした。
そして本当にありがとうございました。
山内で本格的な「消防訓練」が行われた事で、実際に3ケ寺に対して
どのような消火活動がどのような手順で行われるのかをこの目でしっかりと
見学が出来たことは、とっても為になり大変有意義でした。
常日頃から「火事だけは絶対に気をつけないとダメ!」と意識しながら毎日を過ごしていますが、
この日の消防訓練を見学した我々はその思いをますます強く持つことができました。
今回は下で待機していた消防車ですが、実際は通報から駆け付けるまでに15分ほど
かかるそうですし、ホースをつなぐ作業の時間もあります。
より気持ちを引き締めて「防火」に努めなければと思いました。
みなさんも当然「火の用心」を心がけていらっしゃるとは思いますが、
「もしもの時の行動の手順」をイメージしてみたり、危険な配線はしていないか
「煙感知器」「消火器」などもチェックしておくことをお勧めいたします。