暗く重たい鉛色の空と寒々しいモノトーンの雪景色ばかりを目にして暮らすようになってずいぶんと経ちました。久しぶりの「正統派の新潟の冬」はやっぱり厳しいです。春の雪解けまでじっと耐え忍ぶほかありません。忍耐強いといわれる県民性を生んだ要因とされる越後の気候風土、厳しい雪国の暮らしを体感する毎日です。
関東から来た私はそこまでちっとも忍耐強くなく、30年も経つのに
こちらの冬にもちっとも慣れなくて閉鎖的で陰気な冬に気持ちが沈んでゆくばかり。
気付けば「おてら通信」の画像もすっかり寒々しい冬景色ばかりだし…。
ということで今回は
「ただただ明るく鮮やかな原色で元気になりたい!」
という理由だけで、私の第二の故郷ともいえるタイで、
強烈な日差しのもとパワフルかつ色とりどりに咲き誇る草花を紹介したいと思います。
今回は古都チェンマイ、東西南北をぐるりと城壁・お堀に囲まれた旧市街にある、
市民や旅行者の憩いの場「チェンマイ花公園」を紹介いたします。
タイ北部のチェンマイは花の街、とくに蘭の生産で有名です。
毎年2月の第1週末には伝統の「フラワーフェスティバル」が開催され、コンテストを兼ねて
いくつものチームが参加する生花だけで飾られた豪華絢爛な山車のパレードが最大の見どころ。
その拠点となるのがこの「花公園」です。通年公園内は美しく整備され、
毎朝多くの庭師さんが出勤して園内に咲くたくさんの草花のお手入れをしています。
私も朝に夕に滞在中は何度も訪れるお気に入りの公園です。
まずタイといえばオーキッド「蘭」でしょう。
日本でここまでたくさんの品種の蘭を見ることは植物園にでも行かないかぎりムリです。
公園内には色とりどりにさまざまな蘭がぎゅうぎゅう咲いていてまるで極楽浄土みたい。
他にもいろいろな草花がたくさん咲いています。
私は草花には無頓着で名前を知らないのばかりだけど
葉っぱも花も変わった姿のものが多く、見ているだけでじゅうぶん楽しめます。
草花の壁。
数少ない私の知っている花も‶量がハンパない‶です。
「花の街にある花公園だから」と気合が入るのもわかりますが、明らかに植え過ぎかと…。
おなじみの紫陽花。
だけどなんだかちょっと違う感じ?梅雨に咲く日本のアジサイ
と違って南国のカラカラの強い日差しの下ではいまいち風情に欠けるみたいな。
おなじみのユリ。
これほどたくさん密集して植わっていると美しさより毒々しさが先に立つのは匂いのせい?
あたり一面あの独特なユリの匂いが充満してまともに息ができないほど…。強烈すぎ。
ポインセチアもぎっちぎち。目がチカチカします。
公園にはエアコンの効いたカフェがひとつと5つの売店、
気軽なオープンエアーのタイマッサージ屋さんもあり細いタイ猫がお客さんを待っています。
屋外設置の運動器具や2年前に新築された清潔な有料トイレもあります。
10バーツ(35円)でゴザを借りて芝生でのんびり本を読む人やまったり過ごすカップルなどの姿も多く、
朝夕には遊歩道をジョギングする人、太極拳やヨガにいそしむグループ、ベンチで世間話をする人、
バドミントン、セパタクローを楽しむ地元のチームで「花公園」は一日中にぎわっています。
以上、昨年3月上旬までの「チェンマイ花公園」の草花と日常風景でした。
寒くて暗くて閉鎖的な「苦手な新潟の冬」なのに、
今年は‶逃げ場‶も失い(南国逃避行・首都圏の実家に里帰り)
あきらめムードで悶々するばかりでしたが、
南国のパワフルで強烈な日差しやタイ特有のおおらかな空気、
色とりどりの色彩が心によみがえり、
まだまだ続く長く厳しいモノクロの冬を
元気いっぱいに乗り切ろうという活力が湧きました。
(北部チェンライのゲストハウスでは朝食に目玉焼きがセルフで焼き放題・食べ放題!)