毎年1月3日には檀家さんがお寺に集まり恒例の「年始会」が開催されています。
今年は元日から降り続く雪で積雪50センチほどにもなり、
お寺はすっぽりと雪に覆われた状態でしたが、檀家さんが通るための
「境内の道つけ(雪かき)」を雪で真っ白になりながら住職と必死に行い当日に備えました。
しかし「年始会」当日の朝、前日に除雪されていたはずの道路は、
昨夜からの雪でべちゃべちゃボコボコと言う最悪の状態に…。
さらに「朝の早い時間に来てくれるだろう」と思っていた除雪車はいっこうに姿を現さず、
村から3ケ寺のある山に登ってくる車が何台も下で立ち往生してしまうというトラブルが続出、
役員会のために他の檀家さんたちより1時間早くお寺に向かっていた
檀家総代さんたちの乗った車も下で動けなくなり「八甲田雪中行軍」みたいに雪の降りしきる中、
山坂道(ボコボコの雪道)を徒歩で登ってやっと西生寺にたどり着くありさまでした。
その場で総代さんや住職の判断により、
あまりに危険なので「年始会は中止」と急遽決定しました。
出発をしたであろう遠方の檀家さんを最優先に手分けをして「中止の電話」をかけまくり、
結局
「もう近くまで来ていたから、このまま引き返すのもなんだと思って」
「(お寺から電話をもらった)家族より(自分のケータイに)連絡がなかった」
「全く知らなかった」
という4名の方が必死にお寺までたどり着き、
これに総代さんや役員を加えて
合計7名で「令和3年西生寺年始会」を開催いたしました。
庫裡で「総会」のあとは客殿で「新年の法要」や住職の法話を。
そして御本尊阿弥陀さまの御開帳記念事業で改修した格天井(ごうてんじょう)や
普段は目に留まらないような堂内に何気にある古いモノなどを見学。
客殿の主。上杉謙信公より寄進されたやんちゃ顔がステキな「愛染明王」さまもゆっくりと拝見。
いつもの大勢が参加する「年始会」とは違いのんびりした空気が流れていました。
困ったのは「キャンセル」もできないくらい急だったので、
そのまま予定通りに大量に届いた「持ち帰り用弁当」。
各7名にお持ち帰りいただいて、残りを我々が食べても1月いっぱいはかかる数(笑)。
山積みのお弁当に見かねた住職が、
「よし!出席予定だった檀家さん宅に御祈祷札や報告書と一緒にこれから全部配ってくる!」
と奮起、年始会が終わった午後より、
四駆車に乗って雪道のボコボコ悪路を4時間もかけて根性で配り終え事なきを得ました。
このように大雪で「年始会」が中止になったのは初めてです。
正月期間で行政はお休み。
「除雪要請の電話」もできず、なすすべもありませんでした。
悪天大雪の時の対応を事前に決めておく必要があると反省しました。
前もって行政に、
「山の3ケ寺で行事があるから雪が降ったら朝いちばんに除雪をしてほしい」と知らせておく、
天気予報で避けられない悪天やドカ雪が分かれば「中止」を早くに決め檀家さんに連絡をする、
いろいろと勉強になりました。
今年の冬は、
首都圏は「新型コロナウイルス感染拡大」で緊急事態、
こちら(新潟)は「度重なる大寒波襲来による大雪悪天」で緊急事態。
どちらも長丁場、どちらも切ないですがみなさん頑張りましょう。
(若い頃は新雪を泳いでいたタビーですがもうお姉さんなので無茶はいたしません)