10月4日(日)から11月15日(日)までの期間で開催されていた
御本尊「阿弥陀如来」さまの12年に一度の御開帳が無事に成満いたしました。
覚悟していた秋台風に遭うこともなく、初秋からモミジの紅葉がちょうど見ごろ
を迎えた晩秋までの43日間、ずっとお天気に恵まれて大変ありがたかったです。
コロナ禍の中での御開帳となり
「どれほどの方がお参りに来てくださるのだろう?」
と思っておりましたが、
秋の行楽シーズンと重なった期間中は予想を超えるたくさんのお参りをいただき、
大変うれしく思いました。
御開帳が終わってから書くのもなんですが、
ご本尊さまって何をもってご本尊と呼ぶのでしょう?
それは、
寺院が開創されるきっかけとなる一番最初の仏さまを〝ご本尊さま〝と呼ぶのです。
ほとんどのお寺には何体もの仏さまがお祀りされています。
当山でもご本尊阿弥陀さまの脇仏として大日如来さまと薬師如来さま。
お堂にお祀りされている仏さまだと、客殿の愛染明王さま、
弘智堂の弘智法印即身仏さまといらっしゃいます。
境内を見渡すと、不動明王さま、子育て水子地蔵菩薩さま、
六体地蔵さまなどの各種お地蔵さまが点在しています。
「ああ、お寺ってたくさんの仏さまに囲まれた聖域なんだなあ…」
と、今これを書いていて思いました。
(だから、心が落ち着いて居心地が良いのですねー)
そんなたくさんの仏さまのトップに君臨しているのがご本尊さまなのです。
今回の御開帳は、そのご本尊さまというのが
「いかに御利益のある特別な存在の仏さまであるか」
を改めて知る機会となりました。
なんというか、自身の12年に一度の晴れ舞台である御開帳のために、
ご本尊さまが引き寄せた数々の御縁と御利益というのを強く感じたからです。
そんな阿弥陀如来さまですが、
秘仏ゆえの宿命といえる「御閉帳」の時がやってまいりました。
日中は大勢の参拝者で賑わいをみせた御開帳最後の日の15日、
日が傾きはじめた夕暮れ時の誰もいなくなった境内、
静寂の阿弥陀堂でひっそりと「御閉帳」が行われました。
住職の読経のあと、私と飼い猫タビーが見守る中で
お三簾(みす)が少しずつ下がりはじめ、
見る見るうちに阿弥陀さまのお姿は三簾の向こうに隠れてしまいました。
「ああああホントのホントにお別れなのですねーー!」
と心の中で叫びつつ、両目で阿弥陀さまの御姿をしっかりと焼き付けた私でした。
さらに黒塗りの「厨子」の大きな観音開きの扉が〝ギギギー‶と音をたてて閉じられ、
もう容赦なく左右の扉がぴっちりと封印!されてしまいました。
「閉じたら最後感がスゴイ!まさに御閉帳という言葉がぴったりなんだわ」
さようなら~阿弥陀さま、お姿心に刻みました。
そして心に残る今期の御開帳をありがとうございました。
ちょっと寂しい感じがするけれど、
お姿は拝見できなくてもいつもそこにいらっしゃるのですものね。
先の見えない時代に12年後なんて知る由もありませんが、
次回の御開帳は2032年です。
「できるなら住職も私も平穏無事で再び阿弥陀さまにお会いしたい」
「どうか御縁がありますように」
強く念じながら、閉ざされたお厨子に向かっていつまでも手を合わせ、
ご本尊阿弥陀如来さまの「子年吉例大開帳2020」は静かに幕を閉じました。
●画像上…ゆっくりとお三簾が下がりはじめ…
●画像下…最後に住職の手で「お厨子の扉」がしっかりと閉じられました。
次にこの扉が開くのは12年後です。