梅雨の中休みとなった日の朝に撮影した永代供養墓「天翔園」からのいつもの景色。
田植えからおよそ2カ月が経過、村の田んぼもすっかり青々としています。
この天翔園に昔から背の高い山桜が1本あるのだけどこの木が野鳥たちに大人気となっていて
この日の朝も今季頻繁に立ち寄るようになったウグイスが1羽、
気持ちよさそうに見事な‶長鳴き‶の美声を響かせていました。
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さて、今回の「おてら通信」は
1年に1度開催される『寺院檀信徒連絡協議会』に初めて参加してきたご報告です。
新潟第一教区内の寺院住職や檀家総代さんなどが1泊2日や日帰りで参加する会議と研修会。
我々寺族は省略して『檀信協(だんしんきょう)』という名称でおなじみです。
今年も7月3日(月)に日帰りで新潟市西蒲区のホールで開催されました。
午前中に
「寺院檀信徒総代連絡協議会」
「理事会」
「総会」
があり、
昼食をはさんで午後には
「教化推進会議(研修会)」
というみっちりなスケジュールです。
今年は「檀信協」が始まっていらい初めて我々寺庭にもお誘いの声がかかり
さっそく同じ寺泊地区に住むお友達の寺庭の方と一緒に‶午後の部‶に参加してきた次第です。
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じつは今年は我が真言宗の宗祖「弘法大師」さまの‶ご誕生1250年‶にあたる節目の年です。
(弘法大師さまは西暦773年6月15日に四国の讃岐で生まれました)
本山ではこんなロゴを作って1年以上前から‶弘法大師空海ご誕生1250年‶をピーアールして来ました。
全国各地の真言宗各宗派の寺院でも様々な記念行事や慶讃事業が行われています。
新潟第一教区でも記念の行事として午後の「研修会」は弘法大師こと‶お大師さまスペシャル‶。
①午後2時~2時30分 講義「お大師さまのご生涯」
②午後2時30分~ 法要「宗祖弘法大師ご誕生1250年記念理趣三昧法要」
③午後3時40分 挨拶、記念品授与等
④午後4時 終了解散
どんなお話しが聞けてどんな法要なのかちょっと楽しみ…
それではさっそく「午後の部」のはじまりはじまり~~
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①講義:「お大師さまのご生涯」
檀信徒の参加者に分かりやすくお大師さまの生涯や教えについて講義したのは…
じつは布教使でもある当山西生寺の住職(夫)でしたーーー
真言密教を日本に伝えたお大師さま62歳のご生涯や偉業の数々をわずか30分にまとめるのは至難の業!
ということでお大師さまの人生のターニングポイントになった部分を抜粋しながら話は進みました。
せっかく入学した都の難関の大学を辞めて四国の山岳地帯を修行して回った謎多き青年時代、
(この時お大師さまが廻った四国各地が現在の「四国八十八ヶ所霊場」の始まりと言われている)
31歳の時に遣唐使の留学僧として唐に渡り、
船の遭難や不審者扱いなど数々の難題をクリアして70日かけてようやく長安にたどりついたお大師さま。
本来、身分の低い留学僧なので20年も現地に居残り学ばなければならないはずなのに
唐の仏教界トップ青龍寺の阿闍梨さまがお大師さまのたぐいまれなる才能を見抜き、
留学僧のお大師さまを指名して‶密教の奥儀‶を授けるという異例の待遇を受け、
「もう唐で学ぶことは何もない。1日も早く日本に戻りそして密教を伝導しなさい」
と阿闍梨さまに諭され、本来20年のところわずか2年での帰国を許されました(33歳)。
日本に密教を持ち帰りそれを広めたのは当然のこと、
お大師さまがすごいのは一般庶民から絶大な人気があり天皇にも信頼される人物であったことで
貯水池など困難な国家インフラ事業を任されたり
庶民でも学べる学校を日本で初めて開設したり
宗教という分野を越えてかなりデキる人物であったことです。
そして現代にも受け継がれてきた同行二人などの「お大師さま信仰」や、お大師さまが一番大切に説いた「即身成仏」の教えは我々真言宗の仏教徒の心にしっかりと根付いています。
そんなお大師さまのご宝号は
南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう)
です。
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講義が終わり、会場を移していよいよ
②法要:「宗祖弘法大師ご誕生1250年記念理趣三昧法要」
(法要の会場の様子)
(祭壇の中央には五鈷杵を持ったおなじみの弘法大師さまの姿絵)
御詠歌「同行和讃」に合わせて新潟第一教区の各寺院僧侶の皆さまが入場しました。
法要に合わせてプロジェクターで「今唱えているお経の説明」があるのでとても分かりやすかったです。
理趣経が終わると、
お大師さまの誕生を祝い「稚児大師像」に我々参加者が順番に「甘茶」をそそぎました。
続いて「散華」
今回の「散華の花びら」はお大師さま御生誕1250年の特別バージョンでした。
以上で「宗祖弘法大師ご誕生1250年記念理趣三昧法要」は終わりました。
今回の檀信協では、総本山「智積院」が製作しているさまざまな布教パンフレットの他に
御生誕1250年記念の散華の花びらや塗り絵にバッジ
今日のために作った新潟第一教区オリジナルの記念品(トートバック)が参加者全員に配られました。
真言宗の宗祖お大師さまのお話、大勢の僧侶によるめったにない盛大な規模の法要などなど
今回の「檀信協」に参加する機会に恵まれて久しぶりに充実した時を過ごす事ができましたし、
中堅の寺庭としてもいろいろと勉強になりました。ありがとうございました。