3月に入り「今季の冬眠だっくらオフ暮らしもそろそろ終わりかな?」という時期に
とってもいい匂いがただよってきてぱっちり目が覚めました。
「蛸(たこ)を茹でているから来いや~」
住職の親友の網元さんより電話があり、タコ大好きな夫は嬉しそうに出かけて行きました。
‶いい匂いの元‶は帰宅した住職の手にした鍋に入っていた茹でたてホカホカの大きな水ダコ!
(蛸の王者「水ダコ」。大皿からはみ出るほどの大きな足と内臓。まいど御馳走さまで~す)
日本海に面した地元寺泊野積で定置網漁の漁師をしている「招福丸」の網元さん。
秋から12月ちょいまで続く「鮭漁」が終わると、春いっぱいまで「タコ漁」がメインに行われています。
タコと言っても、こちら日本海で獲れるタコは大型の水ダコや石ダコです。
網元に呼ばれた住職が「水揚げしたタコを茹でている現場」を撮影してきてくれました。
自宅敷地内にある『タコ茹で専用の作業場』で豪快にタコの釜茹で作業が行われています。
作業をしているのは網元と後継ぎの息子さんと「招福丸」乗組員の皆さんです。
ちょうど五右衛門風呂のような大きな「茹で釜」に
ぼっこんぼっこんに沸騰させたお湯、少し濃いめの塩で茹で上げます。
朝の漁で水揚げされる直前まで、目の前の日本海に仕掛けた「タコ箱」に入っていた大きな水ダコや石ダコ。
足と頭とに切り分けた身を茹で上げるといつもの見慣れたタコの姿に…
敷地一面、茹でたタコのなんともいえない磯の香りが充満しています。
ちなみに新潟弁ではタコの発音がタコじゃなくてタコになります。
ところで、
水(石)ダコは美味しくて高価なのは「メス」です。
身の味や質がゴムゴムぐにゃぐにゃして水っぽいオスとは比べ物にならないくらいメスは上質で、
食感や味・風味にオスメスでかなりの差があります。
吸盤の列で見分けがつくという話ですが、住職も私もまったく見分けがつきません。
とにかく近海モノのおいしい水ダコを食べるなら皆さん‶メス‶ですよー。
そして昔昔の「初代おてら通信」でいちど
招福丸の茹でダコ作業を紹介した時にも書いたのですけど…
これだけ密集して垂れ下がっているとやっぱり「タコの暖簾(のれん)ごっこ」がしたくなりますねー!!
余熱でぬくもってるタコ暖簾をそっとかき分けながら…
お客さん(私):「あ、どうも~」
板さん(網元):「へいらっしゃい!」
みたいな。
そして海の男たちならではのお楽しみも。
作業しながらのつまみ食いでーーーーす。
漁師さんたちは‶一番おいしい部分‶を熟知しています。
このまな板の上に乗っている部分は珍味とされる「タコの内臓」で手前の白い部位は「卵」です。
「招福丸」の塩味の効いた濃厚な旨味と風味を持つ「茹でダコ」は、
何もつけずに切ってそのままが一番おいしいです。
(日本酒とのマリアージュも最高!!)
招福丸のを食べてしまうと、もう他のタコは食べられなくなります。
このような「タコ漁」は新潟市沿岸でも行われていて
シーズン中はシーサイドライン沿いにタコを茹でる作業場から湯気が立ち上り、
大きなタコの足が何本もぶら下がっている光景を目にします。
以上、こちら日本海の冬の風物詩「タコ漁」と「釜茹でダコ」のお話しでした。
(地元の海でお魚を獲るってこういう事。いい味出してる「招福丸」のタコ漁&釜茹で専用の作業場)