今季冬は厳しいという事前の予測通り、厳しい冬真っ只中の西生寺です。
(積雪のたびにせっせと出動してくれる除雪車に感謝です)
風雪に負けずに可憐に咲いている蠟梅(ろうばい)が雪景色に映えてとても美しいです。
毎年恒例「受付寺務所・即身仏拝観が冬期休業中」の冬ですが、
今季は「せっかくの冬期オフシーズンだもの、ストレスフリーじゃなくちゃよ」
と例年以上に強く思い、
「溜まっている寺庭婦人会会長の仕事やその他雑務は全部2月からやろう!」
と決めて正月明け以降は、
「とにかく全力で1月いっぱいは好きな事しかしない」に挑戦しました。
寒いのは苦手だし、雪道運転どころか雪道は怖くて歩けないから外出もしたくないし、
お寺が雪に閉ざされた感が増すほどに気分も上がり、
ストーブに乗せたヤカンのチンチンとお湯の沸く音を聞きながら
何仕事をするわけでもなくだっくらと自分の部屋で好きに過ごす毎日はまさに「冬ごもり」。
同じ部屋で1日中ソファで丸くなってる飼い猫タビーも呆れるほどの最高の籠りっぷりで
あっという間に2月を迎えてしまいました。
ずっと家に籠っていたのになんだかとってもリフレッシュされた感じ。
(在宅で夢中になれるモノって大事ですねーー)
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それもこれも、
今年の冬は行こうと思えば行けたかもしれない「ひとり旅タイ」を早々に断念して
「3年目のどこにも行かない冬」
を選択した自分への挑戦だったのかもしれません。
そもそもの発端は、
旅先のタイでも時々会って食事をするタイ仲間のマダムが(新潟市在住の80代)
「阿刀さん、もう私コロナ収束を待ってられないわっ!」
と12月に、
滞在3カ月間の予定でタイの彼女の拠点チェンマイへ旅立って行った事です。
出発前に「ふたりだけの壮行会」を、
感染しないように空いている時間帯を選びかつ席間も広いファミレスでやったのだけど
うらやましいというよりかは「ウイルス禍ものともせず潔く行く決断を下した彼女」が眩しくて…
そこで「3月の帰国後に会いましょう」とマダムを見送った後に
「1カ月のタイ旅をしない良さは何なのだろう?」って改めて考えてみました。
すると「旅支度や旅行期間にかかる時間がごっそり余る!」って気付いたのです。
その時間を在宅でとことん好きな事だけをして過ごしてみよう!と思いついた次第です。
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とはいえ、タイ、とっても懐かしいです。
30年以上、毎年最低1回は通っていた大好きな国です。
コロナの初年2020年春にギリギリ滑り込みセーフで帰国したのを最後にタイに行っていません。
特に私は寺庭婦人なので無意識に「仏教寺族」としての視点で仏教が盛んなタイを旅しているようです。
(映画「戦場に架ける橋」で有名なカンチャナブリ―の鉄橋をわたるタイの僧侶の皆さん)
(1日に数本の列車が通過する以外は観光客も自由に線路上を往来できるのがタイっぽい)
各地にいらっしゃる‶お気に入りの私の守り仏さま‶に会いに行ったり
地図を片手に街をぶらぶらしながらその地域に根付くお寺をお参りする事が、
地元の人で賑わっている市場散策やその土地の郷土料理を食べるのと同じくらい好き。
各地域で異なる寺院様式や仏塔、個性あふれる御本尊さまや仏像の数々
外界の喧騒とは無縁の装飾も美しい心が安らぐひんやりとしたお堂内部など
何十回タイを旅してもタイのお寺の魅力が尽きることはありません。
(前国王ラーマ9世(左)とワチラロンコン現国王の肖像画(右)の中央にゴールドに輝く御本尊さま)
ということで今回の「おてら通信」では、
「こんなの~~笑笑!!」
とか
「日本とは似ているようでどこか違うなあ」
という「タイ仏教寺院ならではのアレコレ」に絞り、
仏教に携わる‶同業者目線‶と懐かしい思い満載でお届けいたします。
それではどうぞ~~
★忘れた頃に見かける「メガネ子坊主のお賽銭入れ」
定番とまでは言えないけど、けっこう頻繁に寺院にいます。
西生寺に設置するために「買って帰ろうかな」と真剣に思った事もありました。笑
★タイでは定番「自分の生まれ曜日の仏さまにお賽銭を入れる式のお賽銭BOX」
タイ人で自分の血液型を知らない人はいても、自分の生まれ曜日を知らない人はいません。
タイでは「生まれ曜日ごとに守り本尊さま」がいらして「曜日ごとに色」も決まっています。
住職の夫は「火曜日生まれのピンク」で守り本尊さまは唯一の寝釈迦さま(画像左)。
私は「木曜日生まれのオレンジ」で守り本尊さまは鎮座する仏さま(画像右)。
寺院の様式に関係なくどこのお寺でもたいてい「曜日の守り本尊さま」はお祀りしてあるので、
タイの旅は自分の生まれ曜日を知っておくと「お寺参り」の楽しさが倍増します。
この目もくらむようなきらびやかな派手派手な感じもタイですね~~。
★他では見たことのない珍しい「籠(かご)製の御本尊さま」
タイ北西部メーホンソン(ミャンマーとの国境)の池のほとりの寺院でお会いした籠製のとても珍しい仏さま。
タイ各地の仏像を見てきたけど籠製はいまのところこの寺院だけです。
この写真を撮った時のメーホンソン滞在では白昼に野犬の群れに襲われて足2ヶ所を噛まれてしまう大惨事に。
(噛まれた時もお寺参りの帰りで、山頂寺院から下界へ続く長い階段を下りていた時だった…)
パスポートと両替済みのタイ紙幣全部を握って駆け込んだ病院で
アレルギーパッチテストの後に
血清だのワクチンだのと立て続けに4,5本をブスブスと注射された翌日、
宿でふさぎ込むのもなんか悔しいのでパンパンに腫れた足をいたわりながらお参りをしたのがこの御本尊さま。
(メーホンソン総合病院でもらった大量の薬と狂犬病予防接種カードや破傷風予防接種カード)
(人生最大の非常事態発生なのに(しかもひとり)「狂犬病接種カード」にはタイらしいポップな肉球マーク)
以後、数日ごとに繰り返し接種する必要のある「狂犬病予防ワクチン接種」のために
滞在地を移動するたびに「ワクチンを打てる病院探しが最優先」という旅になった思い出があります。
★願い事を書く巻き巻きロール
願い事を書いて余白がなくなるとロールしていく「巨大お願い事巻物」でタイの寺院ではよく見かけます。
黄色い布にタイを感じます。仏花、僧侶の衣、仏旗、ロウソクなどタイでは黄色は仏教の色です。
「ナイスアイデア!西生寺でもいいかも~」とこちらも買って帰ろうかと思いました。
★金色のバケツに入れた御供物を仏塔最頂部に届ける器具
メコン河の町チェンコンの寺院だったかな。実際に稼働している様子を見て見たかった。
★ロウソクが異様に垂れすぎでしょ!!な寺院の祭壇
何だろう、最初見た時は「ただの怠慢?」と思ったけど
(私は水子さまエリアなどのロウソクのタレ掃除を担当している)
よくよく見るとこんなロウソクのタレのまみれ方って普通のお灯(おあかし)だけならあり得ない。
ロウソクの蝋(ろう)をぶちまける儀式とかロウソク垂れ方占いとか系??
★「お賽銭を~」と喋りながら手をすりすりして頭を垂れる「ガイコツ人形の電動お賽銭マシーン」
チェンマイ市内の某寺院でしか見た事ありません。
コレを自然に受け入れているタイ仏教徒の皆さんの‶器の広さ‶が素晴らしいと思う。
画像左側にいらっしゃるビルマ風な「電飾キラッキラの後光が差す仏さま」も日本にはないです。
電飾の後光も「ちょっとした脇仏さま用」に買って帰ろうかしらんと思った事あり~
★電飾好き「キラッキラおみくじマシーン」
電飾が示した番号を下の棚から取り出すのは日本と同じですねー。
★タイにもあった「見ザル言わザル聞かザル」
イラストのモンキーの品種がニホンザルとは違うからか南国チックな陽気さがこれまたタイらしい。
よく見ると「見ざるモンキー」は目を覆った手のすき間からしっかり見ていまーす。笑
以上でした~。
タイって頭の固い日本人には疑問符???だらけになりかねない
おおらかな「ステキな変なもん」に溢れていてもう大好きです。
この不思議な魅力にハマると抜けられなくなるのがマイペンライ(気にしない)な国タイです。
(タイ東北部、ガイヤーン(炭火焼きチキン)が名物の大きな街ウドンターニーの寺院)
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ということで1月のだっくら冬ごもりは「旅支度の時間」を充てたので
2月も引き続き「旅本番1カ月分の時間」を充ててだっくら冬ごもりをしたいと思いますので
「おてら通信」はまたしばらくお休みいたします。
それでは皆さんごきげんよう~
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【おまけ】:ご飯も美味しいタイランド「タイらーめん編」
専門屋台、フードコート、食堂などで気軽にいただけるラーメン風のタイ麺料理は、
麺の種類・スープの種類・汁の有り無し・具材と好みで注文できて「自分の一杯」が作れるのが楽しい。
★魚のすり身だけで作った具が名物のバーミーナム(汁あり卵麺)
(日本人には一番人気のあっさりスープの汁あり卵麺。タイの1杯は日本に比べて量が少ない)
(具は焼き豚が一般的だけどこのお店は手作りの魚のすり身が美味しいと評判の麺料理専門店)
★具全部乗せセンミーナムトック(汁あり極細米粉麺)
(注文時に「ナムトック」と言うと熱々スープに豚の血を加えてくれて濃厚コクスープになる)
(ナムトックはタイ人が好きなスープでドス黒い汁麺を食べているのをよく見かけ最初はなんだ?と思った)
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写真がないのが残念だけど、うどんサイズの太めの生の米粉麺を塩味の鳥ガラスープで
トロトロに煮込んだ「カオピャック」という煮込みスープ麺が私は一番好き。
なかなか出会えないのがたまに傷。(ラオスでは良く食べました)