今年は猛暑というよりは雨が続いて毎日蒸し暑かった印象のこちら新潟の夏でした。
早くも実りの秋到来で地元の野積地区に広がる田んぼの稲も
モコモコの密でゴールドな感じに変化してきました。
あと1週間もすれば稲刈りが始まります。
さて、この夏のあいだじゅう1輪2輪と風に揺れて涼しげに咲いていた境内の桔梗。
今朝見つけた桔梗は花びらが4枚でちょっと変わった四角い形でした。
通常は5弁のこんな形です。
この形に見覚えが…
そうです、桔梗は真言宗智山派総本山「智積院(ちしゃくいん)」の‶家紋の花‶なのです。
(本山の桔梗紋)
ですから同じく真言宗智山派の西生寺の建物にも本山と同じ「桔梗紋」が多く使われています。
例えば庫裡。
屋根のてっぺんにカッコ良く桔梗紋。
玄関にも桔梗紋。
大広間の床の間の柱にも金色の桔梗紋。
探してみるとその他にも桔梗紋がいろいろなところに使われていました。
で、肝心の西生寺の家紋はというと「五三の桐」なんです。
(家紋入りの西生寺オリジナル紙袋より)
興味がわいてきたのでさっそく境内を探索して建物にある「五三の桐紋」を探してみましょう。
西生寺の家紋調査開始!!
裏玄関を出てすぐにまず1ヶ所発見。
目立つところじゃぜんぜんなくてクモの巣張ってる‶雨どい‶の部分。地味だなあ。
さらに進んで駐車場にある「受付寺務所」にも。
同じ茶色の丸太の木と完全に同化しています。
(天然木の丸太のいびつな円に合わせていびつに銅板をカットしているのが面白いっ)
気を取り直して向きを変え、大きな屋根と銅板瓦が特長の山内で一番大きな建物「客殿」裏側へ。
おおーー!ありました、ありました、てっぺんのシャチホコのところに光輝く五三の桐紋が!
今まで見つけた中で一番カッコいい~~
良い予感がして「客殿」正面へ。
(愛染明王さまがお祀りされている客殿)
手前屋根の上にきらりと光るのは間違いなく何かの家紋…
ズームして見ると…
うわお!五三の桐と皇室の菊の御紋じゃないですかーー!
ダブルネームならぬ‶ダブル家紋‶ 出ましたよーー
たま~に参拝の方にも聞かれるのですけど「客殿の菊の御紋の由来」はと言いますと…
なんでも昔、西生寺が米をたくさん奉納して皇室より菊の御紋を戴いたということです。
そんな客殿は江戸時代の元禄14年5月の建立で‶築300年以上‶がたっています。
時代背景としては赤穂のお殿様の「松の廊下刀傷事件」の3カ月後の落慶なんですよー。
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さらに緩やかな石段を登り「弘智堂」と「阿弥陀堂」へ進みましょう。
この2つのお堂の家紋は桔梗紋でしょうか五三の桐紋でしょうか、ワクワクしてきました。
(弘智堂)
江戸末期に建立された弘智法印即身仏さまをお祀りする「弘智堂」は、
お堂の梁に施された鳳凰や龍などの‶透かし彫りの彫刻‶に見応えがあるので
屋根の家紋なんてまったく気に留めたこともありませんでしたが果たして…?
ありました家紋!さりげなく桔梗紋が施されていたのですねーー
30年以上暮らしていて初めて認識しました。
それでは大正時代に再建された御本尊阿弥陀如来さまをお祀りする本堂「阿弥陀堂」はどうでしょうか?
(阿弥陀堂)
だいたいこのアングルパターンなので大事な部分が常に樹木に隠れてしまい、
こちらもあまり意識をしたことがありません。近づいてみましょう。
おおぉ!大きな黒の五三の桐紋が出現!
漆喰の白壁に黒紋、なかなかステキじゃないですか。
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ということで本日の「西生寺家紋調査」は無事終了でーす。
調査結果は‶まんべんなく本山の桔梗紋あり、まんべんなく西生寺の五三の桐紋あり、時々菊の御紋あり‶でした。
最後におてら猫、飼い猫タビー(メス10歳)が今年冬の積雪につけた見事な‶肉球紋‶をご覧くださ~い。
(ニャン紋)
以上でした~
(庫裡でまったり過ごすニャン紋のタビー最新画像。最近目つきが悪いんだわよ)