梅雨みたいに連日雨が降り止まない珍しいお盆でしたが、
ありがたいことに日中の気温が22℃~25℃と涼しさを通り越して肌寒いほどでした。
日本全国の仏教寺院が一年で最も忙しいとされるのがお盆です。
毎年の同じ作業をするにしても疲れ方が全然違い、
この時期のこの涼しさは奇跡!としか言いようがなく大変助かりました。
そんな今年の西生寺のお盆の様子を画像と共にお伝えいたします。
それではどうぞ~
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新潟のお盆の花といえば匂いが独特な(=臭い)黄色いオミナエシです。
山内の縁(ゆかり)のあるお墓用に80束を作ることから西生寺のお盆は始まりました。
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12日夕方、花束の入ったバケツを住職と手分けして持ちながら境内のあちこちを巡り、
1ヶ所ずつお花を供えて回ります。
阿刀家のお墓。
歴代の西生寺住職のお墓。
まだまだお墓巡りは続きます。
というか、いよいよここからが本番!
「弘智堂」脇より一本道をずんずんと山奥へと登って行きます。
毎年‶蚊の大群‶が待ち構えている恐怖のエリア…
そんな西生寺裏山の奥地に広がっているのは…
「野仏さまのお墓群」です!
江戸時代よりもっと古くから裏山ひとつが村や近郷近在の共同墓地になっていてまさに‶死者の眠る山‶。
西生寺縁(ゆかり)の何十人もの僧侶の皆さんも野仏さまのお墓の下に眠っています。
野仏さまひとつひとつにお花を供えていきます。(ひえ~~蚊がブンブン飛び交ってるう…)
しつこい蚊に難儀しながらもなんとか全員にお花のお供えを終了。
我々人間はすぐさま飼い猫タビーを山奥に置き去りにして猛ダッシュで下山!
(もしかするともう二度とタビーに会えないかもと頭をよぎったけど仕方がなかった)
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お次はとっても大切な「精霊棚」。
「精霊棚」は里帰りをしたご先祖さまたちがお盆の間じゅう滞在する居場所です。
居心地がよくないと最悪ですから、今年も位牌壇の前に私なりのおもてなしの心を込めて作りました。
(★ザ・精霊棚2021)
今年の精霊棚のコンセプトは、
フードマーケット感と五穀豊穣っぽさを前面に出し
ご先祖さまたちに楽しい気分でお腹いっぱい食べてもらおうという願いを込めました。
13日の夜、住職が位牌壇の前でお盆のお経をあげて
「ご先祖の皆さま、ようこそ我が家におかえりなさ~い」をしました。
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そして永代供養墓「天翔園」。今年もたくさんのお参りでにぎわいました。
(画像は早朝に撮っているので無人ですが)
一段と高いエリアにある合葬墓(合祀)の中央に端座されるのは御本尊阿弥陀如来像。
檀家さんのお家を回る「棚経」の出発前に、天翔園でも住職が「お盆のお経」をあげました。
花瓶に入りきらないお供えの花があふれています。
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最後は「水子地蔵尊」さまです。
お盆期間中の「水子さまエリア」は、
一般のお墓参りと引けをとらないほど本当にひっきりなしに大勢の方のお参りがあります。
今年7月15日の「水子合同供養祭」が‶無参拝‶での開催だったので、
今回のお盆が一年で一番にぎやかで華やかな時となりました。
たくさんの色とりどりのお花やおもちゃ、お灯やお線香の良い香りに1日中包まれて、
大好きなお菓子やジュースも食べ放題飲み放題の水子さまたちのウキウキ感が伝わってきます。
以上「西生寺 今年のお盆の様子」でした。
時節柄、帰省も叶わずなかなかお参りに来られない方々にも
「昔ながらの風習の地方のお盆や西生寺のお盆の様子が少しでも伝わりますように…」
と思いながら書きました。
(薄情な飼い主に山奥に置き去りにされたタビーはその日の夜に帰宅を果たす)