野鳥がさえずり植物がいっせいに芽吹いて〝自然と生命のエネルギー‶に満ち溢れた西生寺です。
地獄まで深く根をはっているというウワサの、抜いても抜いてもしぶとく生えてくる
嫌われ者のスギナでさえ、生え始めの今の時期はフレッシュな若葉色に目がキュンとなります。
(スギナの根っ子は地獄まで)
食べる新芽(山菜)もこの時期ならではの楽しみです。
さっそく境内某所よりコシアブラとたらの芽を摘んできて天ぷらにしておいしくいただきました。
(コシアブラ。ごま油のような香ばしさがある)
そしてそして樹齢800年のおじいちゃん大銀杏にも待ちに待った新芽が出現!!
「枯れてなかったんだねー良かったよおーー」とほっと胸をなでおろしています。
さて今回のおてら通信は‶数百年ぶりにリニューアルした‶弘智法印即身仏さまのお守り
「御衣守り(おころもまもり)」をご紹介したいと思います。
(New!New!New!ひとつひとつ手作りです)
「御衣守り」は、即身仏さまが身に着けていた法衣を小さくカットして入れた西生寺オリジナルのお守りです。
600年も続く、西生寺ではいちばん古くていちばん息の長いロングセラーのお守りです。
ご利益は「厄難消除・身体健全・病気平癒」。
身に着けて持ち歩けば、あらゆる災いから身を守ってくれる最強のお守りです。
(600年続いたワラ半紙製の「旧型の御衣守り」)
「12年ごとの子(ね)年に我が衣を替えよ」
という弘智法印即身仏即身仏さまのご遺言により、
西生寺では昔から子年に「即身仏のお衣替え」が繰り返されてきました。
と同時に、
御衣替えまで即身仏が12年間身に着けていた衣を使った「お守り」も作り続けてきました。
最新の「お衣替えの儀式」は昨年の3月末。
「衣替えは住職と施主のみ、ひっそりと静かに…」というこれまた弘智さまのご遺言により、
今回も住職と施主の信者さんのみでひっそりと静かに執り行われました。
(昨年春の「御衣替え」のために揃えた、弘智さまのサイズに合わせた特注の法衣)
ちなみに法衣は必ず‶麻布‶で作るのが伝統です。
現在は法衣店に特注していますが、
ひと昔前まで「即身仏の法衣」は地元の村の信者さんたちによる‶手間ひまかけた手作り‶でした。
なんと‶麻の種‶を植えるところから「お衣作り」は始まったと聞いています。
育った麻を紡いで手織りした「生地」を、染色せずに弘智さまの衣に仕立てて着用しました。
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ということで昨年春の「御衣替え」も厳かにひっそりと終わり、
さっそく「脱ぎたてほやほやの着衣を使ったお守り」作りを開始することに。
昨春はちょうど新型コロナウイルスの非常事態宣言で寺務所が閉鎖した時と重なりました。
初めて体験する未知の事態に心もざわざわ落ち着かず、
草取り以外にすることもなくて時間もたっぷりとできたので、
「どうせなら時代に合ったまったく新しい御衣守りを作ろう!!」
ということになりました。
当山に手描きの「伝統花ロウソク」を卸している馴染みの「小池ロウソク店」さんと協力、
いくつかの試作品を経て完成したのがこのお守りです。
(オモテ面とウラ面)
「個人個人が身に着けて持ち歩くお守り」ですので、お財布やスマホケースにも
すっきりと収まるように、小さめの〝薄いカード型のお守り〝にしました。
さらに透明のケースにしてカットした〝紫の着衣〝が見えるようにしました。
(旧型はワラ半紙に覆われていて着衣が見えなかった)
(1cmの四角にカットされた即身仏さまの着衣)
試行錯誤の末、納得のお守りが完成しましたが「リニューアルへの不安」も多大にあり、
600年間も不変だった人気のお守りをそんな私の気まぐれで簡単に変えてしまって良いのだろうか?
もしかしたら600年も続いた「御衣守りの歴史」に私が終止符を打つことになるんじゃないか?
等々、まあとにかく小心者の私はいろいろと良くないことばかりが頭に浮かび、
初めて寺務所の「お守りコーナー」に新しいお守りを並べた時は心臓がドキドキしましたが、
うれしいことに昨年秋にデビューしたこの「御衣守り」はおかげさまで大好評!
ご本尊阿弥陀如来さまの御開帳中は作っても作っても足りなくなるほどの人気でした。
(ひとりにひとつ身に着けて持つお守りです)
自らの強い意志で即身仏となるための3000日もの厳しい修行を成し遂げ、
見事に即身仏となられた弘智さま。
御霊験あらたかな即身仏さまの法力が詰まった新しい着衣を用いた新しい「御衣守り」
を身に着けて、皆さまも〝仏さまに守られた安心の日々〝をお過ごしください。
「御衣守り」は駐車場の受付寺務所「お守りコーナー」にご用意しております。
(御一体300円 志納)
(御衣守りの制作担当「小池ろうそく店」の小池社長)
小池さんは「昨年からこのお守りを作るようになって良い事が立て続けにある」と言っていました。
なぜうれしそうに「縄文型火炎土器」を持っているのかというと、縄文がLOVEすぎてこのほど
新潟市内の「小池ろうそく店」内に、縄文ギャラリー「JOMON」をOPENしちゃったからです。