12月のドカ雪で境内数か所で倒木被害、2月の低温で水道管破裂による屋内水浸しという
かなり痛い目にあった過酷な冬を乗り越えてこちら新潟も待ちに待った春の到来です。
(お彼岸の中日でもある「春分の日」に撮影した永代供養墓天翔園からの景色。)
3月16日に例年よりも早く‶ウグイスの初鳴き‶が聞かれました。
木立の間から1日中賑やかに野鳥のさえずりが聞こえ、
フクロウの伸びやかな声が空に溶けていきます。
6匹の鯉が仲良く暮らしているお不動さまの池では
冬眠から醒めたカエルがユニークな鳴き声で元気いっぱいに合唱。
春分の日を境に昼夜の時間も逆転、日もかなり伸びて人も生き物も活気づいてくる春は特別な季節です。
(スギナが生える前にあたり一面「つくし」が顔を出しました)
世間では春が来た象徴は桜の開花かもしれませんが、山のお寺に暮らしていると
桜より先に「春が来た!」を実感するのが境内に咲いた小さな野草を見つけた時です。
弥彦山中腹の西生寺境内はいま、自生している雪割草やカタクリの花が見頃を迎えています。
積もった落ち葉を自力でこじ開け葉を出し茎を伸ばし蕾をつけ、
今年もたくましく可憐に咲いてくれた野草たちの可愛らしい姿をどうぞご覧ください。
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まずは春の野草の女王「雪割草」。新潟県の「野の花」にも指定されています。
雪割草の魅力は‶雪を割って咲く‶という名の通り
春を告げる一番手という魅力もありますがやはり「花の種類の多さ」ではないでしょうか。
株ごとに個性が豊かで花びらの形や数、色、咲き方などさまざま。
か細い茎に小指の先ほどの1輪が踏ん張って咲いていたり
‶オンリーワンで力強く健気に咲いてる感じ‶が他の野草よりします。
自生する雪割草には豪華絢爛に咲く栽培にはない‶孤高の美しさ‶があります。
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お次は「コバイモ」。
花が葉の下にぶら下がっているので上から見ると気付かずにうっかり踏んでしまいそうになる可愛いヤツです。
目がコバイモに慣れてくるとわりと簡単に見つけられます。
開花すると雪割草やカタクリよりも長い期間咲いているのもうれしい。
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そして可憐というより妖艶な雰囲気が漂う「延齢草(エンレイソウ)」
いつもの場所に今年も咲いてくれました。
地球外惑星で花の形をした異星人がいるとしたらきっとこんな姿だと思う。
(てへっ♡)
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そして雪割草や他の野草よりも遅めに咲き始める大定番の「カタクリ」。
株の大きさが大小あり摘まなければどんどん増えていきそうな感じがしますが、
境内にまとまって群生していたはずのカタクリがなぜか年々少なくなってきていて寂しいです。
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最後に名前が分からないけど境内でよく見かける春の花々を。
人の手が一切加わっていない自然の中でたくましく咲き春を告げてくれる野草には
同じ風土で一緒に厳しい冬を乗り越えた同士というのか、特別な愛しさがこみ上げてきます。
以上「境内に咲く春の野草2023」でした~。
(野仏さまとカタクリ)