じりじりと焼け付くような暑さが続き今年の夏もかなり切ないですが皆さんいかがお過ごしでしょうか。
朝から夕暮れまで元気いっぱいセミの大合唱が鳴り響く弥彦のお山から暑中お見舞い申し上げます。
私は暑さのせいか7月15日の大般若関連の仕事(御礼状出しなど)をやり切ったあたりから
何もする気になれず動作も脳も緩慢でかなりダレたまま8月を迎えました。
極楽浄土の園子ママに誓った「花が終わったアジサイの剪定」だけは
朝の涼しいうちにちびちびと続けているのが唯一の自慢?
(寺務所窓口より、剪定が終わりすっきりした客殿裏のアジサイ並木を眺める)
しかし8月といえば大切なお盆月!!ダレてばかりもいられません。
お盆(8月13日正午~16日午前中)は、
日頃あの世で暮らしているご先祖さまが我々の住むこの世に里帰りをする期間です。
心ウキウキで里帰りをするご先祖さまをお迎えしておもてなしをするのが我々の役目です。
また、お盆の大切な仏教行事として「新盆会(あらぼんえ)」というのがあります。
西生寺では毎年8月1日に「新盆会法要」があり、今年も予定通りに開催されました。
新しいお盆?「新盆会」とはどんな法要なのでしょう?
亡くなられて四十九日が経ち晴れてご先祖さまの仲間入りを果たした‶新しい御精霊‶が挑む初めてのお盆。
「無事に家に帰れるのだろうか…」
喜びと不安でいっぱいの、
お盆里帰りビギナーの御精霊さまをバックアップするための法要が「新盆会」です。
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昔から‶盆暮れ正月‶という言葉があるくらい日本でも1大行事となっている「お盆の起原」について、
真言宗智山派寺庭婦人必読本「智山寺庭ハンドブック」にはこう書いてあります。
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日本のお盆は飛鳥時代に初めて行われたとされ、それ以来江戸時代になると「精霊棚(しょうりょうだな)」を作って祖先の霊をお迎えし祀るようになり、各地で菩提寺の住職が先祖の冥福を祈るために各家庭を訪問しお経をあげる「棚経(たなぎょう)」がはじまりました。
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また、ご先祖さまがお盆の里帰り中に過ごす場所とされる「精霊棚」については、
こんな感じで紹介されています。
実際はどうかという‶リアル精霊棚の一例‶として
位牌壇の前にしつらえる「我が家の精霊棚」は毎年こんな感じです。
結婚して初めてのお盆に園子ママに教わった通りに今でも作っている‶自慢の精霊棚♡‶です。
しかしお盆の棚経で各家の精霊棚をいっぱい見てきている住職の夫によると…
我が家のはわりかし‶簡素め‶だそうです。(うるさいぞー)
お盆期間中はずーーーーっとおてらに籠り、合祀の永代供養墓や水子さまに上がった
線香・ロウソク・お花などを整理する「墓守」を1日中担当している私の夢としましては、
一度で良いから住職の棚経についていって他家の「精霊棚」を見学して回りたいです。
そう、寺院にとっては「お盆=棚経」と言っても過言ではありません。
朝から晩まで檀家さんの家を回り精霊棚の前でお経をあげる「棚経」が行われるお盆の3日間は
暑さも加わり間違いなく1年で1番過酷で厳しい3日間です。
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お盆期間中は大勢の方がお墓参りに訪れますが、
当山では「水子さまのお参り」もお墓参りに負けないくらい大勢の方がいらっしゃいます。
お盆中はお線香が絶えず、花瓶に入りきらないほどの色とりどりのお花で水子地蔵さまが埋め尽くされます。
ということで今年もいよいよお盆がやって参ります。
ご先祖さまがいない人はこの世には存在しません。
お盆の過ごし方は人それぞれだと思いますが、各自心にご先祖さまや亡くなった方を想いながら
「ありがとうございます」と感謝の気持ちでお盆を過ごしましょう。
(お盆の仏花に欠かせないのが細かい黄色のオミナエシ)